小田原市議会基本条例

小田原市議会基本条例

制定:平成25年3月29日 条例第16号

小田原市議会基本条例

目次

前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)
第3章 議会運営(第4条~第6条)
第4章 市民と議会との関係(第7条・第8条)
第5章 市長等と議会との関係(第9条・第10条)
第6章 専門的知見の活用及び議会事務局の体制整備(第11条・第12条)
第7章 補則(第13条・第14条)
附則

 市議会は、選挙により市民からの負託を受けた議員によって構成され、二元代表制の下、市の意思決定機関としての役割を担っている。このような中、社会経済情勢の激しい変動等により市民要望の多様化及び複雑化が急速に進む一方、地方分権改革の進展に伴い、市は、更なる自律性を求められている。

 地方公共団体は、地方自治の本旨に基づき、市民の負託にこたえるため、自らの責任と判断によりその任務を遂行していかなければならない。小田原市議会は、地方議会として果たすべき役割の重要性を認識し、諸課題に取り組む一方、市長は、小田原市自治基本条例の基本理念として掲げている「市民自治」の推進を目指し、相互が市民に対しそれぞれの責務を誠実に果たすことが必要とされている。

 そこで小田原市議会は、その役割を果たすために、個々の議員が政治倫理を遵守し、情報公開制度、広報広聴制度等を活用することにより、市政の課題を明確に市民に周知するとともに、議会制度改革の推進に努め、より一層「開かれた議会」を目指すこととした。また、議会が持つ行政監視機能及び政策立案機能の更なる強化を図り、二元代表制を確立することにより、議会制民主主義の発展に寄与することに努める。

 ここに小田原市議会は、地方分権と市民自治の時代にふさわしい議会の在るべき姿を明文化し、市民が豊かに暮らせる社会を実現することを決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この条例は、小田原市議会(以下「議会」という。)及び小田原市議会議員(以下「議員」という。)の活動原則を定めるとともに、議会の役割及び機能並びに議会と市民との関係等を明らかにすることにより、議会の更なる活性化を図り、もって市民福祉の向上及び本市の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)
第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1)議案等の審議及び審査により、市の意思決定を行うとともに、政策の立案及び提言に努めること。
(2)公正で市民に開かれた議会を目指すこと。
(3)情報公開制度、広報広聴制度等を充実させることにより、市民への説明責任を果たし、市民参加の機会拡充に努めること。
(4)行政監視機能を発揮し、市政運営が適正に行われているか評価すること。
(5)市民に分かりやすい議会の運営に努めること。

(議員の活動原則)
第3条 議員は、次に掲げる原則に基づいて、誠実に職務を遂行し、市民の信頼の向上に努めるものとする。

(1)市政についての課題並びに市民の意見及び要望を的確に把握すること。
(2)議会活動について、市民に対する説明責任を果たすこと。
(3)日常の調査及び研修により、自らの資質の向上に努めること。

第3章 議会運営

(委員会の運営)
第4条 委員会は、市政に関する課題について的確に対処するため、専門的立場から詳細かつ効率的な議案等の審査及び所管事項に関する事務の調査を行うものとする。

(全員協議会)
第5条 議長は、市政に関する課題のうち、特に全ての議員で協議すべきであると判断した課題について協議するため全員協議会を開くことができる。

(会派)
第6条 議員は、議会活動を行うに当たり、3人以上で会派を結成することができる。

2 会派は、主として政策を同じくする議員で構成する。

3 会派は、議会運営、政策立案等に関し、必要に応じて会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。

4 議長は、意見調整等の必要があると認めるときは、会派の代表者による会議を開催することができる。

第4章 市民と議会との関係

(広報広聴の充実)
第7条 議会は、市民の意見を議会の審議や政策立案に生かすため、次に掲げるもののほか、多様な広報広聴媒体を活用し、広報広聴の充実を図るものとする。

(1)市民に対する議会報告会を必要に応じて開催すること。
(2)広く市民の意識を把握するために、市民に対するアンケート調査を必要に応じて行うこと。

(情報の公開)
第8条 議会における会議(議員により構成される全ての会議をいう。)及びその会議の資料は、原則として公開するものとする。

2 議会の定例会及び臨時会(次条において「本会議」という。)の表決における各議員の賛否は、これを公表するものとする。ただし、無記名投票における表決は、この限りではない。

第5章 市長等と議会との関係

(反問権)
第9条 本会議又は委員会に出席した市長その他の執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)は、議員から質疑又は質問を受けたときに、その論点を明らかにするため、本会議にあっては議長の、委員会にあっては当該委員会の委員長の許可を得て、当該議員に対し反問することができる。

(議会への説明等)
第10条 議会は、市長等が政策を提案した場合には、議会審議における論点を整理し、その審議を深めるため、市長等に対し必要な情報を明らかにするよう求めることができる。

2 市長等は、政策を提案する場合には、議会に対しその説明を適時かつ適切に行うよう努めるものとする。

3 市長等は、政策の作成又は変更に当たっては、その政策に関連する議会の決議等の政策提言及び意見表明の趣旨を尊重するものとする。

第6章 専門的知見の活用及び議会事務局の体制整備

(専門的知見の活用)
第11条 議会は、審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、議決により、有識者等で構成する機関を設置し、又は地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2に規定する調査をさせ、専門的知見の活用に努めるものとする。

(議会事務局)
第12条 議会は、議員の政策形成及び立案を補助し、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の機能の強化及び組織体制の整備に努めなければならない。

第7章 補則

(見直し)
第13条 議会は、この条例の施行の日から4年を超えない期間ごとに、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(委任)
第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

附 則

この条例は、平成25年4月1日から施行する。